無線LANルーター購入 とその前に 【おさらい】

2019年10月28日

スマホを持っていても、パソコンでのインターネット環境は必要です。
パソコン・モニターと併せて無線LANルーターも欠かせないツールです。

無線LANルーターとは

無線LANルーターイメージ
パソコンとモニターに続いて無線LANルーターのお話です。
いきなり無線LANルーターのお話の前に、モデム・ONUそしてルーターの説明をしておきましょう。
ご存知の方は読み飛ばしてください。

モデムとは

ADSL回線での契約の場合必要になるのがモデムで、アナログ信号とデジタル信号を相互に変換する装置のことです。パソコンはデジタル信号を扱いますが電話回線がアナログ回線の場合には信号を変換する必要があり、このモデムが必要になります。

最近は光回線の普及が進み、モデムの必要性はかなり減ってきたと思われます。

ONUとは

普及が進む光回線で契約している場合に必要になるのはONU(Optical Network Unit)と呼ばれる光回線終端装置です。

役目はモデムのように回線とパソコンの間でデータの変換を行うことです。光ファイバー回線からの光信号と、パソコン側のデジタル信号とを相互変換します。

モデムとONUは、回線の信号をデジタル変換する点はどちらも同じです。

ONUは、光回線の契約時に支給されるもので回線業者からレンタルされるものです。
回線業者にもよりますが、ONUという呼称よりホームゲートウェイという呼称の方が多くちょっとわかりにくいですね。
ホームゲートウェイはONUの機能に加えて光電話にも対応しています。
最近の機種では、以下の無線LANルーターを内蔵した機種もあります。

無線LANルーターとは

LANとは、ローカルエリアネットワークの略で会社内や家庭内など限られた範囲内でデータ通信を行うネットワークのことです。
ルーターとは、モデムやONUでデジタル変換された信号を分配する装置です。複数のパソコンやスマホをインターネットと接続するために必要になる装置です。

パソコンとルーターの接続が有線か無線かが違うだけでルーターの役割は同じですが、以前は当たり前だった有線LANも、面倒なケーブルの引き回しが必要無くなった無線LANにとって代わりつつあります。

一度接続してしまえば、意識せずにパソコンやスマホと接続できてしまうので大変便利です。もはや今日の主流です。

Wi-Fiって何?

Wi-Fiは、Wireless Fidelityの略称で無線規格の1つです。
国際標準の無線規格「IEEE 802.11規格」に認定されていますという、いわばブランド名みたいなものです。

「IEEE 802.11規格」に準拠した機器には「Wi-Fi CERTIFIED」ロゴが表示でき、機器間での無線通信が可能であることを保証しています。

ネットワークを無線で構築する際に、「この規格を使っています」という証明です。

無線LANルーターが有効な理由は?

無線LANルーターの役割は先にお話したとおりですが、無線であるところが重要なポイントです。
以前と違ってLANケーブルを引き回す必要が無くなるだけでなく、スマホとも簡単に接続できるようになります。

スマホと簡単に接続できるメリット

スマホは単体でインターネットに接続できますが、Wi-Fi接続できることで大きなメリットが生まれます。

1つはケーブルが不要なのでどこでも接続できることです。
パソコンはハードディスクやモニターなどケーブル接続が必要ですが、パソコンもスマホもそのまま接続できます。

2つ目は、家庭ではスマホも通信制限を気にせず使うことができることです。
スマホの契約に加えてインターネットの接続契約が別に必要になりますが、家族が多いほど有利になります。家庭のWi-Fiに接続していれば通信量は増えませんから、通信制限を気にする必要が無くなります。
さらに、家ではパソコンを使うことになりますから私のようにスマホのデータ使用量がほとんど増えない=契約を安いランクにできるという別のメリットも発生します。

3つ目は、回線速度です。
現状ではまだ光回線の方が安定して速く、動画を見たり大きなファイルを転送してもストレスなく送受信できます。

そろそろ実用段階に入りそうな5Gは、まだまだ環境が整っていない上、ユーザーがこぞって利用開始すれば速度は落ちてしまいます。
当分は光回線が主流=Wi-Fiのお世話になりそうです。

無線LANルーター内蔵のモデム・ONUもあります!

最近のONUには無線LANルーターの機能を内蔵した物が増えてきました。
無線LANルーター内蔵であれば、直ちに無線LANルーターの購入は必要ありません。

しかし、モデムやONUが古い場合、無線LANルーターは内蔵されていません。
NTT西日本のホームゲートウェイは無線LANカードの使用で無線LANが使えるものもありますが、月々利用料が加算されます。

この辺は、各通信業者との契約時に確認が必要です。

通信規格の確認も

無線LANルーターが内蔵されていれば最初のハードルはクリアできているとも言えますが苦手な形態の家屋もあります。
ワンルームマンションや広い居間なら問題らしい問題は発生しないと思うのですが…

どう選ぶ?無線LANルーターの規格

無線LANルーターも時代の変遷とともにその規格が増え、使用する周波数帯と通信速度が色々あります。
それぞれ下表のとおりです。

規格 周波数帯 最大通信速度
IEEE802.11b 2.4GHz 11Mbps
IEEE802.11g 2.4GHz 54Mbps
IEEE802.11a 5GHz 54Mbps
IEEE802.11n 2.4GHz 600Mbps
5GHz
IEEE802.11ac 5GHz 6.9Gbps
IEEE802.11ad
(WiGig)
60GHz 6.8Gbps
IEEE802.11ax(Wi-Fi 6) 2.4GHz 9.6Gbps
5GHz

通信速度の向上に伴って規格が多くなるのはご理解いただけると思いますが、周波数帯が2系統あるのは何故でしょう?

2.4GHzと5GHz長所と短所

2.4GHz帯は、古くから使われている周波数帯で色々な製品で使用されています。
壁や床などの障害物に強く、電波が遠くまで届きやすいのが長所です。また、ほとんどのWi-Fi機器が対応しています。
その反面、他の機器からの干渉を受けやすいので通信速度が遅くなるという短所があります。

5GHz帯は、主にルーターでしか使用されない帯域なので、安定した通信が可能です。
6.9Gbpsという速度での通信ができるのも5GHz帯のIEEE802.11acだけです。

速いなら5GHz帯に一本化してもよさそうなものですが、壁や天井などの障害物に弱く通信距離が短いという欠点があります。

戸建ての場合、1階と2階では接続に問題が起こるかもしれません。

また、無線LANルーターが内蔵されたモデム・ONUがあっても「IEEE802.11ac」「IEEE802.11ax(Wi-Fi 6)」といった新しい規格には対応していませんので(2019年10月現在)スピードの点で不満が出る場合があります。





まとめると

以下の場合には、無線LANルーターの設置が必要になります。
・モデム、ONUに無線LANルーターが内蔵されていない。
・スピードに懸念がある。
・電波同士の干渉が起こっている可能性がある。

ちょっと前なら少々スピードが遅くても動画の閲覧もできていたかもしれませんが、最近は動画も高画質化し例えばネットゲームなどは回線のみならずパソコン本体の能力さえ問うようになってきました。ネットゲームにのめり込まないにしても、どうも表示が重いというときには回線の速度を疑う必要も出てきます。

パソコンに比べれば安価な無線LANルーターですから、パソコン本体の能力に問題が無ければ無線LANルーターの買い替えも考えた方が良いかもしれません。

先の表で、IEEE802.11n(2.4GHz/5GHz 600Mbps)まではパソコン側にも対応しているものがほとんどになりましたが、IEEE802.11ac(5GHz 6.9Gbps)は、まだ搭載されていない物の方が多数です。無線LANルーターが内蔵されたONUも同じ傾向です。

新たに購入される場合や、電波の干渉、スピードに対する不満がある場合は、IEEE802.11ac対応、さらにはIEEE802.11axにまで対応した機種を選ぶと良いと思います。どちらも下位互換性があり安心です。

その他の付加機能もチェック

MU-MIMO

接続する端末が増えると回線の順番待ちが発生し、通信速度が低下します。
MU-MIMO(マルチユーザーMIMO)は1対多接続が可能な機能です。
パソコン以外にもスマホやゲーム機など回線に接続する機器が多い場合には、この機能が搭載されているかどうかチェックしておくと良いでしょう。

ビームフォーミング

ルーターと接続する機器の両方が対応していないと基本的には使えませんが、指向性の強い電波を使って、特定の通信機器に向けて飛ばすのが「ビームフォーミング」です。「iPhone」(6以降)、一部のAndroidスマートフォンが対応しています。
対応状況の確認が必要になります。

バンドステアリング/オートチャネルセレクト

バンドステアリングは5GHz帯と2.4GHz帯の混雑してない方の周波数帯に自動で切り替える機能です。

オートチャネルセレクトは、周波数帯をチャネル単位で空いているところに切り替える機能です。同じチャネルを利用していると速度低下につながります。集合住宅ではチャネルが同じになることがあるので、オートチャネルセレクトがあると良いでしょう。

IPv6

「IPv6」は、「IPv4」でアドレスがいっぱいになりつつある問題を回避する新しいIPアドレスです。
回線が「IPv6」対応の場合、ルーターも「IPv6」対応機種を選んでおくと安心です。

お薦めの無線LANルーターは?

バッファロー WSR-1166DHP4

バッファロー WSR-1166DHPL

5GHz帯接続時は最大866Mbps、2.4GHz帯接続時は最大300Mbpsの通信が可能です。

バッファロー WSR-2533DHP2

5GHz帯接続時は最大1733Mbps、2.4GHz帯接続時は最大800Mbpsの高速通信が可能です。

バッファロー WXR-5950AX12

IEEE802.11ax対応、機能全部載せ機。圧倒的高額機…

調べてみると全ての機能に対応した機種はWXR-5950AX12のみで、「バンドステアリング」や「干渉波自動回避」機能は省かれているものが多いですね。
一部では、この切り替え時に不具合が起こるという話もあり機種によっては必要無いというメーカー側の判断が働いている気がします。

我が家も現状では困るということも無いのですが、最大300Mbpsの古い機種ということもあり買い替えを検討中です。

メーカーはバッファローだけではありませんが、人気メーカーでもあり当家でも使ってます。
とにかくメーカーも機種も多いので機能と価格から選んでみました。
じっくりとご検討なさってくださいね。