父親の死去と葬儀までの流れ

2019年6月4日

いずれやってくる日とはわかっていながら、
いざ、その日が訪れると一番慌てるのが人の死です。
その日のことを考えての備えこそ大事なことではないでしょうか?

病院で亡くなりました

我が家の場合で恐縮ですが、経緯を。

父が亡くなった直接の原因は、硬膜下出血です。

亡くなる一年半前から脚力が弱くなり、トイレでよろけて頭をぶつけました。即座に具合が悪くなったわけではありませんでしたが、右目の周りに大きな紫斑ができる状態。
母は病院へ行くように促したそうですが、週末ということもありその日は病院へは行かずじまい。
開けて月曜日、ムカムカするということで病院へ行くことにしたものの、母は頭をぶつけているんだから外科へ行くことを強く勧めたにもかかわらず、強情な父はかかりつけの内科へ向かいました。母は同行するつもりだったのですが、ここでも強情さを前面に出して拒否。

おそらく病院側でも大きな紫斑ができた患者を見て驚いたと思いますが、むげに断るわけにもいかなかったのでしょう、とりあえず点滴してから外科へ行くことを勧めたそうです。

その点滴中です。硬膜下出血で急逝してしまいました。

今と同じようにパソコンに向かって仕事中の私に母から電話がありました。とにかく慌てましたね。妻に電話して帰宅してもらいタクシーで病院へ駆けつけました。
紫斑の話は聞いていましたが、思った以上に大きな紫斑で、内科へ来たのが信じられませんでした。

葬儀社を考える

 
あまりに突然のことなので気持ちの整理がつきませんが、そんなことを言ってる場合じゃありません。母も高齢なので…

とにかく葬儀のことを考えなければなりません。大きな病院ではないし、なにしろ内科ですからね。
父は生前、葬儀社と契約していましたので連絡先の確認のため実家へ一旦戻りました。

契約時の書類は見つかったのですが、契約がかなり前だったため、連絡先の電話番号が変わっていて焦りました。幸い父が保存していた営業マンの名刺に記されていた電話番号に通じたので、状況を説明してやっと落ち着きました。

そこで、医師に「死亡診断書」を書いてもらいつつ状況の説明を受けました。(まぁ、おおよその見当はついていましたが…)

葬儀社で

葬儀社と約束した時間に寝台車が来ました。
個人の内科なので寝台車に父を乗せるのに葬儀社を苦労させました…
葬儀社まで、母、妻と一緒に向かいます。
葬儀社では、葬儀までの流れの説明を受けます。

主に、葬儀のオプション内容の決定です。
祭壇の事、花の事、香典返しの事、遺影の事、霊柩車の事、僧侶を呼ぶか呼ばないか等です。
父は生前、大袈裟な葬儀は望んでおらず、親戚は遠方住まいで高齢、父と面識のある私の友人も少ないということで本当に簡素な葬儀にしてもらいました。
とにかく急がなきゃいけないという、ある種の脅迫観念みたいなのがありました。
誰を葬儀に呼ぶか考えたり、遺影になる写真を探したりという時間を短縮しなきゃいけないんじゃないかと思いました。
一般的な葬儀の場合、この時間ってどのくらい掛けてるんだろうと考えてしまいました。

うちの場合は、最小限の「家族葬」でということにしました。
遺影無し、花は最小限、装束無し、棺は一番質素な物、霊柩車もワンボックス(=寝台車)、僧侶は呼ばず、列席者は母と私と妻だけです。
義理の父母は高齢なので後日落ち着いてからで良いですよということにしました。
とにかくシンプルなものにしました。

火葬のこと

葬儀の次は、火葬です。
法律により逝去後24時間は火葬することができないので、この間に葬儀社が「火葬許可証」を取ってきたりしてくれるわけです。

火葬に関しての注意事項も葬儀社から説明がありました。

最近は、火葬に関する注意点も増えたそうです。棺に入れられるものも制限されるようになりました。世知辛い話ですが、ダイオキシン問題です。どこまで一緒に入れて良いのか、あらかじめ訊いておいた方が良いですよ。

火葬の後は納骨ですが、
このとき必要となる「埋葬許可証」は「火葬許可証」に火葬場の印が押された書類です。
一般的に焼骨から納骨まで間が空きます。早くて四十九日法要、もしくは一周忌以降です。
この間に、「埋葬許可証」を紛失しないように骨壺を納める箱に一緒に入れておきましょう。

死亡診断書のこと

私が動いてのことではなく葬儀社の方が大変だったのですが、父の名前が役所の戸籍上の文字と「死亡診断書」の名前の文字が違うということで病院と役所を往復したりしてくれたそうです。なにぶん昔の役所仕事ですから困ったものです。なんとか説き伏せてくれたそうですがこういうところが面倒ですね。
「死亡診断書」記載のときにはしっかり確認するようにしてください。

また、「死亡診断書」は他のことで必要になりますから必ずコピーを数部取っておいてください。
銀行口座の解約や役所での諸々の手続きで必要になります。大体、役所等でコピーを取り返却されますが、最低1部は必要になりますから余裕をみて数部コピーしておいた方が安心です。

葬儀費用を抑えようとして、「直葬」を考える方もいらっしゃるそうですが動き回らなければならない時間を考えると厳しいです。
というか、個人でやろうとするのはほぼ無理です。(ご遺体をどこに安置しますか?)
流れ的には葬儀社がある程度仕切ってくれるので絶対に任せた方が安心です!

葬儀費用のこと

うちは、葬儀社との契約があったのでそんなにかからないだろうと思っていましたが、
最小限のオプションでも約70万円かかりました。
最近の家族葬の相場からすると随分高いです。
とはいえ普通の葬儀の平均費用が約196万円ということですから、かなり簡素化できたとは思います。

ざっとまとめると最低でも下記は必要となります。
・火葬費用:1~5万(自治体に依って異なる)
・棺桶:1~3万
・骨壷1~3万
・棺桶または遺体を運ぶ車:0円~(3万円くらいです)
・納骨費用:0円~(お寺に依る)

最近の「家族葬」では30万円以下でも請け負ってくれるところがあります。

注意点は、友引です。
葬儀社や斎場、火葬場もお休みとなる場合もあるので、日程をよく考慮しておきましょう。

葬儀までの主な流れ

寝台車の手配(病院で紹介してもらうか自分で決めた葬儀社に依頼)。親戚、寺への連絡。
     ↓
遺体を自宅もしくは葬儀会館に安置。仏式では枕経をあげる(オプション)。
     ↓
葬儀の見積もりをし、打ち合わせにはいる。この時点で火葬場をおさえる(葬儀社が行います)。
     ↓
役所への手続きをし火葬許可証を発行してもらう
葬儀社が代行することがほとんど。市営葬儀などでは自分で手続きしないといけないこともある。)
     ↓
    お通夜
     ↓
   葬儀・告別式
     ↓
     火葬
     ↓
    お骨あげ
     ↓
初七日法要をし精進上げの食事をとりその後解散。
 
ほぼ、このような流れとなります。
私の場合、親戚へは連絡のみで僧侶も呼ばなかったので、実質、葬儀社への連絡で終わりでした。

これが、親戚や僧侶への対応も必要になると忙しかったでしょう。
一般的な葬儀をとり行った方はどうだったのでしょうか。

 
ここまでは、病院で亡くなった場合の「小さな葬儀」の流れです。
では、そうではなかった場合どうなるのか考えたことがありますか?

自宅で急死

私の父は病院で亡くなりましたので、診断書もその場で書いてもらえましたから問題ありません。

しかし、自宅で亡くなった場合はどう対処したら良いのかわかりますか?
人の死に関することは暗黙のタブーみたいなところがあり、
事故死自体をあまり真剣に考える機会が無いので、
いざそういう状況に直面することを考えると不安でいっぱいになりませんか?

当サイトのサブタイトルは「40過ぎたら考えよう」ですが、
生を受けた時から年齢に関係無く死と隣り合わせですから、
親の場合だけでなく、自身の事とも考えておかないといけません。

さて、自宅で亡くなった場合です。
あまり話したいことではありませんが、心臓発作などで急死した場合と、自殺の場合があります。

死に立ち会った場合には、救急車を呼ぶことになりますから病院での死去と同じです。

しかし死因がはっきりしない場合(実家を訪れたら親が亡くなっていた場合等)は、
警察に連絡します。自殺の場合も同じです。
救急車は遺体搬送できませんから救急隊員は警察を呼んで帰ってしまいます。
警察が来るまで遺体を動かしてはいけません
極端な話ですが、死体遺棄を疑われる場合もあります。
入浴中の事故死が多いようですが、服を着せることもできません。

警察が来ると、遺族に対する事情聴取と現場検証が行われます。
監察医や検察官が検視をして特に事件性がないと判断されれば、死体検案書を発行してもらえます。

「死体検案書」を受け取ったら、葬儀社へ連絡できるようになります。
ここから先は、病院での死去と同じです。

事故死の場合

事故死の場合には、警察が介入することが一般的です。

警察から連絡があり(直接の訪問による連絡を受けるケースもあります)、警察へ行きます。
事故の場合は、「○○病院に来てください」と警察から指示される場合もあります。
警察もしくは病院の安置室で遺体と対面し、本人に間違いないかどうかの確認をします。

事故死の場合、警察による検視、監察医や警察医による検案が行われ、「死体検案書」が発行されます。

犯罪に巻き込まれた場合、警察の判断によって司法解剖が行われる場合があります。
司法解剖が終わるまでは、遺体は家族の元に帰ってきませんし、葬儀の日程を決めることも出来ません。

ご遺体がご遺族の元へ帰る段になれば、葬儀社への連絡ができるようになり、
故人用に用意された浴衣などへの着せ替えができます。

辛い話ですが、ご遺体の状況によっては遺族と葬儀社との相談の上、解剖室で葬儀社が納棺を行うことになります。

 
状況により違いはありますが、おおむね「死体検案書」が発行された時点で葬儀社へ連絡することになります。

万が一を考えて葬儀を検討しておく

「生前に葬儀について考えるのは縁起でもない」と考える方は多いのではないでしょうか?
けれども、「万が一の時、どうすればいいのか分からない」
「事前にどのくらい費用がかかるのか知りたい」ですよね。

生前に葬儀社を決めていないまま病院で逝去となると、
短時間で葬儀社を決めなければなりません。
病院によっては、2時間程度で故人を安置場所に搬送することを求められます。
そんな状況では、冷静に葬儀社を選ぶことは難しいでしょう。

病院によっては提携する葬儀社を薦めることがありますが、
その葬儀社が提供する葬儀のプランやサービスの内容を十分検討できずに葬儀を依頼することになります。

「万が一」の時を迎える前に、あらかじめ葬儀プランやサービスの内容に納得して依頼できる葬儀社を決めておいた方が良いと思いませんか?
葬儀社を選ぶ際には、複数の葬儀社から資料や見積もりを取り寄せ、比較しておくことが大切です。
特に最近は、盛大な葬儀から身内だけでとり行う「小さな葬儀」へという流れになりつつあります。

私の家の場合は、父が葬儀から納骨まで契約を済ませていましたから事なきを得ましたが、
急を要することが多いだけに、タブー視せず前もって調べておくことはとても大事なことだとつくづく感じました。

近隣の葬儀社など、あらかじめ資料を集めておくことをお勧めします。

参考記事です
葬儀社を考える

 
葬儀が終わっても、まだまだやらなければならないことが沢山あるんですよ…