継承者がいない! 永代供養を考える

墓じまいという言葉も聞かれるようになった今、
高齢化と核家族化を考えると、永代供養を考えておかなければいけません。
まだ先の話と考えるのは危険です。

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お墓の継承者がいない?

少子化で継承できない

継承者?子から孫へでしょ?と思うのはごもっともですが、
少子化の影響で、息子の代で終わりという家系も増えています。

我が家系も、自分の代で名前が消滅します。
親の墓もですが、自分の墓でさえ誰が管理するのかという疑問が湧きます。

核家族化で墓参が大変

また、核家族化も継承問題の1つです。

親子の距離が近い場合には大きな問題にはなりませんが、
子が遠くで世帯を持った場合、しかも兄弟姉妹ともに親元を離れた場合、
墓参は誰がするのかという非常に現実的な問題があります。

若いうちは誰かが墓参に訪れることもあるのでしょうが…

高齢化で墓参が大変

親が在世の間は帰省することも多いと思いますが、
滞在する実家も無くなってしまうと、
帰省する名目が半減してしまいます。

現実的に、墓参だけのために移動しますか?

若いうちは遠方でも問題無く墓参できるでしょうが、
高齢化してくると、それほど遠くなくても墓参の回数も減ってきます。

自分の親も、かなり長い間、墓参していません。
していませんというより、できません。もう90に近いですから。

 
親のお墓だけならともかく、祖父母のお墓のことを考えたことがありますか?
無縁墓と化していませんか?

新たにお墓を考える時、継承のことは考えなければならない大事なことです。

お墓の継承者は誰?

仏壇やお墓など、祖先の祭祀に関するものを「祭祀財産」といいます。
この祭祀財産は基本的に1人の祭祀承継者に引き継がれ、
複数の相続人で分割することはありません。

慣習として長男や長女が継ぐのが一般的ですが、法律上の決まりはありません。

被相続人の遺言、または生前に口頭や文書で指定していた人がいる場合は、
その人が継承者となりますが、そうでない場合は極端な話、血縁が無くても構わないということになります。

しかし墓地や霊園の使用規約により「3親等まで」「使用者の親族であること」といった条件が設けられている場合もあります。

継承者になったら

お墓の継承者になったらお墓の維持管理をするのはもちろん、
法要を行ったり分骨や改葬をする責任もあります。

なお、お墓を継承しても相続財産の対象ではありませんから、
継承しても相続税を支払う必要はありません

継承者の負担

継承者とお墓が近ければ問題は大きく無いように思えますが、
それでも負担することは結構あります。
これが遠隔地になったら実質的に継承は不可能な場合もあり得ます。

自分の代で終わりという場合、どうするのか…
必然的に、永代供養を考えなければならなくなります。

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永代供養とは?

「永代供養墓」とは寺院や霊園が継承者に代わって供養や管理をしてくれるお墓のことです。
墓地にかかる費用を抑えるために永代供養を選ぶことや、
墓守りの苦労をかけたくないことから永代供養を選ぶことはこれまでもありました。

「永代供養」と言っても、
一般的には33回忌後に他の遺骨と一緒に合祀墓に入り供養が行われます。

この「永代供養」は、お墓の形式ではなくお墓の管理形態であり
合祀されるまでのお墓の形式は寺院や霊園によって様々です。
納骨堂が一般的ですが、一代限りの家族墓や夫婦墓あるいは
樹木葬でも個人墓であれば一定期間ののち合祀される場合もあります。

永代という言葉から永遠にというイメージを持ちそうですが、
一定期間ののち合祀されるということです。
合祀された後も、寺院・霊園が管理してくれるというのが永代供養ということになります。

生前予約と永代供養

永代供養の生前予約では寺院や墓苑への予約時に料金を一括で支払うのがほとんどです。
基本的にそれ以降は費用がかからず、親族への負担がかかりません。

永代供養の墓地は、宗教宗派に関わらないものが多く、
納骨堂型の場合、室内型で交通の便が良いところが多く墓参がしやすいという利点があります。

一方、事前に確認しておかなければならないのは年会費や管理費が契約後に必要になるのか、ならないのかです。一括のつもりが、そうではなかったということが契約後に問題にならないように調べておきましょう。

また、いつ合祀になるのかということも確認しておく必要があります。
合祀後に個人の遺骨を取り出すことは不可能になります。

墓じまいと永代供養

遺骨の移転に必要な手続き

既にある先祖のお墓を閉じて永代供養するにはいくつかの手続きが必要になります。

寺院のお墓に納骨されている場合、寺院に丁寧に説明した上で「離檀」=檀家を離れる必要があります。
次に、移設先のお墓を決めます。先にも述べましたが、永代供養にも個人墓と合祀墓があります。
最初から合祀するのか、ある年限まで納骨堂などに納骨するのかを考えなければなりません。
移転先の永代供養墓が決まったら、受入証明書または墓地使用許可証を発行してもらいます。
先祖代々のお墓がある寺院・霊園では、埋蔵証明書または収蔵証明書を発行してもらいます。
そして先祖代々のお墓がある行政機関で改葬許可申請書の用紙をもらいます。
申請書を埋葬証明書・受入証明書と一緒に提出することで改葬許可証を発行してもらいます。

墓じまいの流れ

お墓を撤去する際に必要なのは、閉眼供養(魂抜き)とお墓の解体です。
閉眼供養(魂抜き)は、先祖代々のお墓があるお寺に依頼します。
解体作業は、お墓の解体と区画の整備です。

墓じまいの費用は?

これが結構必要になります。

まず、離檀料が5万円~30万円程度。
閉眼供養が5万円~30万円程度。
さらに
お墓の解体費用が5万円~50万円
区画の整備費用が5万円~15万円/1㎡
となります。

離檀料や閉眼供養料はお布施ですから明確な料金設定はありません。
お墓の解体費用は、お墓の状況により費用が変わってきます。(重機が必要になる場合など)
移転先の永代供養料は別ですから、かなりまとまった費用が必要となり、事前にきちんと確認しておくべきです。

仏壇や位牌は?

かつての日本家屋には仏間・仏壇があったものですが、核家族化によって目に見える形での先祖…という概念は希薄になってきた感があります。
しかし、「永代供養」と同時に先祖の仏壇を直ちに廃棄する必要はありません。

位牌には、故人の戒名や没年月日、俗名や享年が刻まれているものです。粗末に扱うものではありませんが、本来大事なのは本尊です。(よく位牌で本尊が隠れてしまってる仏壇を見かけますが…)
宗派によっては位牌を設けない宗派もあり過去帳に名前を記するだけの宗派もあります。

もし、住宅事情等で仏壇を置けない場合は、仏具店に相談するか大型ごみとして処分することになります。
位牌の場合は、元の寺院・霊園でお焚き上げしてもらうよう相談してみることをお勧めします。

供養する対象が無くなってしまうのが心苦しいのであれば、仏壇から本尊と位牌だけを、より小型の御厨子に移す方法もあります。

いずれも、ご自分のお気持ちと現実を考慮なさってください。
絶対こうでなければならないという決まりはありません。

これからは永代供養を考えるべき

先祖のお墓は、故郷の、しかも不便なところに位置していることが多くないですか?
故郷を出て生活している方たちにとって、供養の度に故郷に戻りお墓の管理と維持をするのは大変厳しい現状です。
また親族に墓守を依頼していたものの高齢化によりできなくなったり、継承者がいないためお墓が無縁墓になる可能性がある方も増えました。
後世にお墓を残したとしても、管理や維持の負担、金銭的な負担を残すことにもなります。
そういった悩みを解消してくれるのが永代供養です。

 
以前のニュースで、墓じまい後に撤去された墓石が林立している様を見たことがありますが、お墓も変容しているようです。
40歳手前では、葬儀やお墓のことを考える場面はあまりないかもしれませんが、物を購入するのと大きく違って長い目で考えなければなりません。
埋葬の形態、永代供養と合祀は、施設によって色々な形態があり具体的にイメージできるよう資料を見比べてみる必要があります。
意外と時間の掛かる作業です。早め早めに考えておくことを強くお薦めします。

 
 

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