墓じまいを考える

少子化や核家族化に伴って、墓じまいを考える人が増えてきました。
家族・親族のことを思うと放置することはできません。
早めに墓じまい・改葬を考えましょう。

墓じまいとは?

お墓の継承者がいなくなってしまうと先祖代々の墓は無縁墓になってしまいます。
そうならないために、代々続いてきたお墓を「永代供養墓」に改葬し、元のお墓を閉じること「墓じまい」と言います。

近年は、核家族化が進み親子が同じ土地に住んでいないことも多くなりました。
近距離であれば墓参も可能ですが、遠距離で時間の都合もつかないとなると墓参も難しくなります。

また、少子化により子供のいない家庭も増えてきました。
子供がいない=家系は自分の代で閉じるということになると、やはりお墓を守る人がいなくなってしまいます。

さらに、高齢化により墓参が段々困難になってくる状況も考えられます。

今までのお墓でも、放置状態が続けば無縁墓として撤去されてしまいます。
そういう状況にならないために考えなければならないのが「墓じまい」「改葬」です。

墓じまいの前に考えることは?

継承者はいるけれど遠方からの墓参が難しいため改葬が必要な場合から、自分の代でお墓を閉じる場合まで環境は様々ですが、改葬である以上、遺骨を移す先のことを考える必要があります。

 

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納骨堂と樹木葬

納骨堂は、形はいろいろありますが室内に遺骨が安置されるものです。
一般的な墓地よりずっと区画が小さいため費用も少額です。
寺院・霊園による違いはありますが、33回忌以後に合祀されることがほとんどです。

樹木葬も、合祀墓でなければ一定期間ののち合祀されます。

 
墓じまいは済ませておきたいが、まだ合祀するのは…という場合は、
上記の形態のお墓を選ぶと良いでしょう。

合祀墓

墓じまいと合祀を同時期に考えていらっしゃるならば、
合祀できるお墓を最初から選ぶことになります。

 
よく永代供養という言葉を耳にされると思いますが、
永久ではなく、一定期間ののち合祀されるという点にご注意ください。
この期間が、寺院・霊園により異なりますので事前に確認が必要です。

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散骨

近年拡がりをみせているのが散骨で、散骨後は管理の必要は無くなります。
しかし、粉骨する必要や散骨する場所を考える必要があり、
業者に依頼すると、それなりの費用は掛かります。

御先祖の遺骨まで散骨となると現実的と言えるでしょうか?

手元供養

遺骨を自宅で管理するので費用はかかりませんが、
最後に遺骨を誰が管理するのかということを考えなければなりません。

この場合も、先祖までの遺骨をご家庭でどう安置するのか考える必要があります。

墓じまいまでの流れ

墓じまいに必要な手続などを順序だててご説明します。

親族に相談する

お墓には、気持ちのつながりを持つ方が多く独断で手続きを進めるのはトラブルに発展することもあります。親戚間で丁寧に話し合って進めるべきです。

お墓の管理者に墓じまいの意思を伝える

お墓がある寺院・霊園の管理者に墓じまいを伝えます。
墓地の管理者から埋葬(納骨)証明書を発行してもらいます。
「埋葬(納骨)証明書」は遺骨の数だけ必要です。

改葬先の寺院・霊園を決める

改葬先となる寺院・霊園を決めます。
埋葬形態により費用が大きく違います。
合祀にするのか個別墓ならどういったタイプにするのか
資料を集めて条件に合うところをじっくり探す必要があります。

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改葬先の管理者からは受入証明書(永代供養許可証)を発行してもらいます。

また、納骨式を行うのか否か、御先祖の複数の遺骨を納めるときは?などを前もって相談しておくと良いでしょう。
のちに混乱しないように納骨の形態などを確認しておきましょう。

改葬許可の申請手続き

墓地のある役所で改葬許可申請書をもらい、必要事項を記入したのち
埋葬(納骨)証明書受入証明書(永代供養許可証)と一緒に再び市区町村に提出し改葬許可証を受け取ります。

散骨や手元供養の場合でも改葬許可申請書の記入を求められる場合があります。その場合には、改葬理由として「自宅供養のため」と記入すると良いでしょう。

「改葬許可申請書」も遺骨の数だけ必要になります。

大変な「改葬許可申請書」の記入

「改葬許可申請書」には、
死亡者の氏名、性別、本籍、住所、死亡年月日、火葬または埋葬の年月日、申請者との続柄等の記入欄があるのですが、遠い御先祖のことになるとわかりませんよね?
寺院の過去帳でわかる場合もあり得ますが、分からない項目については、「不詳」と書きます。
古い事案であるほど詳細がわからず調査に時間がかかる上、役所も調査に時間がかかるため
「改葬許可証」が発行されるまで時間がかかる場合もあります。

墓じまいまでの作業

離檀の相談

お墓が寺院の場合は、その寺院の檀家となっている場合がほとんどです。
その寺院のお墓を撤去するには檀家を離れる、すなわち離檀することになります。

離檀は一方的に進めるのではなく、寺院側によく事情を説明・相談した上で手続きに入ることが理想的です。
御先祖の代からお墓を守ってきていただいたことを思うべきですね。

遺骨の取出し

改葬先が決まったら、元のお墓から遺骨の取り出し=魂抜きを行います。
カロートという、骨壺を納めたスペースから骨壺を出す作業は一般的に石材店に依頼することが多く事前に元の寺院・霊園に問い合わせるか石材店から見積もりを取っておくことをおすすめします。

墓地を更地にする

魂抜きが終わったら、墓地を更地にする工事を行います。
通常、お墓の敷地は借用しているものです。霊園墓地の場合も更地にして返還する必要がある場合があり、事前に確認が必要です。

撤去作業は石材店に依頼します。遺骨を取り出す作業と同じく寺院・霊園に問い合わせるか石材店から見積もりを取っておくと良いでしょう。

改葬先に納骨

改葬許可証」提出の後、納骨します。
契約した改葬先の手順にしたがって納骨します。

墓じまいにかかる費用

墓じまいにかかる費用も、順に追ってみましょう。

離檀料・魂抜き

・魂抜き 2~5万円
・離檀料 3~15万円
「魂抜き」と「離檀料」は、寺院にお布施として納めるものです。
・撤去費 10万円~
     10万円/1㎡程度といわれていますが、
     重機が必要な場合は、さらに費用が必要になります。

撤去費用は石材店に支払うものですが、魂抜きと離檀料に関しては寺院の敷地で工事をすることや書類の手続き、さらに長い間墓地の管理をしていただいたことへの感謝と考えると良いと思います。

全国展開のサービスを使う方法もあります
資料請求がおすすめです

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改葬先の寺院・墓地への納骨費用

これは、合祀から個別墓地まで埋葬形態によって費用も大きく異なります。
どういった形態の墓地に改葬するか、資料を取り寄せた上で十分検討しておく必要があります。

あくまで、ざっとですが5万円~100万円です。
また開眼供養が必要な場合は、別途料金がかかります。

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遺骨の整備費

長期間埋葬されていた場合、洗骨が必要な場合があります。
しっかりした処理をしておかないと遺骨を痛めてしまうこともあります。
御先祖の遺骨を守るためにも、専門業者に依頼するのがおすすめです。
1体2万円が相場と言われています。

なお、散骨の場合に必要な粉骨費は2万円が相場です。

必要書類の取得費用

自治体や寺院・霊園によって取得費が違いますが、数百円~数千円です。

なお改葬元で発行してもらう「埋葬証明書」と「改葬許可申請書」はお墓に埋葬されている遺骨分必要となります。
御先祖のお墓の場合には複数体埋葬されています。改葬元の寺院・霊園で確認しておきましょう。

墓じまいで注意する点

もっとも注意すべきは、親族間で同意を取り付けているかどうかです。
「改葬許可申請書」に記入する内容を確認する際にも親族の協力が必要なことは十分考えられます。
親族間で綿密な会議をしておくことをおすすめします。

墓じまいにかかる費用は、改葬先によって費用に開きがあり立地条件なども検討しなくてはなりません。
行き当たりばったりでは、必要以上に費用が掛かってしまうこともあります。
何件か資料を取り寄せてご自分の条件に合うところをゆっくり検討しておくべきです。
資料は無料ですので最初に集めておくと良いでしょう。

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編集後記

我が家の場合は、私の両親も妻の両親もお墓の心配は無くなりましたが、
それというのも、どちらも葬儀と納骨の資料を集めてくれていたおかげです。

しかし、祖父から先の先祖のお墓のことは気になります。
近々従姉達と話しておかないといけないなと思います。

 
間に業者に入っていただく場合、離檀の際には業者に頼るだけでなく、
ご自分も足を運んでよくお話をしておいてください。
また、寺院・霊園は資料をよく参照して
業者とも疑問点を納得いくまで確認をしておくことを重ねておすすめします。

 
何より恐れるべきは、自分が動けなくなってからでは遅いということです。
まだ若いから…なんて思っていると10年20年なんて、あっと言う間ですよ。